「一時的にでも痒みが止まるなら貼ってもいいのでは」と考えるのは早計です。蚊に刺されたらセロテープ皮膚科医の見解を取材すると、専門医の多くがこの行為に対して明確に「非推奨」の立場をとっています。
文房具として製造されているセロハンテープは、人体への貼付を想定して作られていません。皮膚に使用した場合、虫刺されセロテープの危険性と肌荒れを招く複数の要因が存在します。
第一に警戒すべきは、セロハンテープかぶれ接触皮膚炎の注意点です。工業用の強力な粘着剤(天然ゴム系やアクリル系樹脂)や可塑剤は、デリケートになっている刺傷部位の角質層を著しく傷つけます。テープを剥がす際に角質が無理やり剥ぎ取られ、バリア機能が破壊されて湿疹やかぶれを引き起こすケースが頻発しています。
第二に、非通気性による細菌繁殖のリスクです。セロテープは医療用テープと異なり空気や水蒸気を通しません。密閉された皮膚の内側は汗で蒸れ、皮膚常在菌や黄色ブドウ球菌が爆発的に増殖しやすい環境が整います。その結果、刺された部分が化膿したり、とびひ(伝染性膿痂疹)へ発展したりする恐れがあります。
さらに、かぶれや炎症が悪化すると炎症後色素沈着(PIH)を招き、茶色いシミのような跡が数カ月〜数年にわたって肌に残ってしまうリスクも無視できません。