SNSやコミュニティサイト上では、毎年のように「9月に入ったのに全く涼しくならない」「カレンダー上は秋なのに詐欺レベルの暑さ」といった切実な声が溢れ返ります。この認識のズレには、気象学的な定義と人間の温熱感覚との間に生じる構造的なギャップが関係しています。
民間気象会社のアンケート調査や街頭インタビューの証言によると、多くの生活者が「涼しい」と実感する境界線は、最高気温28℃以下、かつ最低気温20℃以下です。しかし、近年の9月気温傾向最新データを見ると、9月上旬の東京や大阪では最高気温32℃前後の真夏日が当たり前のように観測されています。
「朝の通勤時に蝉の声から秋の虫の声に変わった」「日陰に入ると風が少し乾いている」といった微細な秋の気配の時期は9月上旬から観察されますが、日差しの紫外線量や直射日光の熱量は依然として真夏並みです。視覚・聴覚的な季節の移ろいと、皮膚が感じる実際の熱ストレスの乖離が、「涼しくならない」という不満や残暑バテを増幅させています。