東洋一の邸宅「旧前田侯爵邸洋館」の全貌|無料公開の謎と見どころ

東洋一の邸宅「旧前田侯爵邸洋館」の全貌|無料公開の謎と見どころ

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旧前田侯爵邸洋館を訪れた来訪者が一様に抱く疑問が、「なぜこれほどの重要文化財を維持しながら、拝観料を徴収しないのか」という点です。民間施設や多くの歴史的建造物では500円〜1,500円程度の入場料が設定されるのが通例ですが、旧前田家本邸(洋館・和館)は開館以来、原則として入館料無料を貫いています。

この背景には、激動の昭和史と行政による公有地化の経緯があります。1929年(昭和4年)に完成した本邸は、前田利為侯爵が第二次世界大戦中の1942年にボルネオ沖で戦死した後、終戦とともに連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接収されました。米第5空軍司令官ホワイトヘッド中将らの官邸として使用され、接収解除後の1960年代、東京都が敷地を買収して「都立駒場公園」として整備した歴史を持ちます。

その後、管理は東京都から目黒区へ移管され、1991年には「東京都指定有形文化財(建造物)」、さらに2013年には洋館・和館を含む8棟および土地が国の「重要文化財(建造物)」に指定されました。東京都と目黒区の管理方針資料によると、本施設は「近代日本の生活文化と建築技術の精華を広く一般に公開し、文化振興と地域学習に資する都市公園施設」として位置づけられています。公費による適切な保存・修復事業が行われているからこそ、誰もが気軽に立ち寄れる無料開放が実現しているのです。

小林 直樹
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小林 直樹

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