全国の教育関連フォーラムや現役小学校教員へのヒアリングによると、小学校2年生の国語の授業において「曜」はつまずきやすい漢字のトップ5に必ず名前が挙がります。8歳〜9歳の子どもにとって、マス目の中に18本もの線をバランス良く収める作業は空間認知の限界に近い難度を誇るためです。
小学校では「ひへん、ヨ、ヨ、ふるとり」とリズミカルにパーツを分解して教える指導法が一般的です。しかし、中学校・高校を経て大人になるにつれ、デジタル入力が主流となり手書き機会が減少。その結果、全体のシルエットだけをぼんやり記憶し、線の交差順序を自己流に変形させてしまう「筆順退行現象」が見られます。
文化庁が公開している「常用漢字表の筆順・誤字俗字に関する指針」でも、筆順は単なる形式的なルールではなく、「文字の形を整えやすくし、運筆速度を高めるための合理的な軌跡」であると明記されています。筆順が崩れると、行書のように続けて書く際にペンの運びが滞り、悪筆の原因となってしまうのです。