この曲がこれほどまでに人々の耳に馴染む最大の理由は、その緻密かつシンプルなコード設計にある。基本となるのは、ポップス界の黄金律とも呼ばれる「カノン進行」をベースにしたアレンジだ。耳馴染みが良く、聴く者にどこか懐かしさと切なさを抱かせるコードの連なりが、藤巻亮太の紡ぐ叙情的な歌詞と完璧にシンクロしている。
特にサビに向けて徐々に熱を帯びていく展開は、コードのルート音が美しく下降していくラインによって支えられている。音楽理論的に奇をてらったことはしていない。しかし、その「普通さ」の中にこそ、誰もが口ずさみたくなる普遍的な魅力が隠されているのだ。