岸谷家の教育方針は、過保護とは対極にあった。母・岸谷香がかつて長年にわたり早朝から作り続けた愛情たっぷりの手料理やブログに綴られた日々の奮闘は有名だが、彼女が一貫して息子に教え込んだのは「自分の人生は自分で責任を持つ」というロックな自立心だった。
一方、父・岸谷五朗は舞台制作の現場で見せるストイックな姿勢を家庭でも自然と体現していた。妥協を許さないプロの背中を間近で見せつつも、息子の進路に対して頭ごなしの指示を出したことはない。互いを表現者としてリスペクトし合う対等な親子関係が、息子の芯の強さを育んだと言える。