ダイヤルインを実際に導入している企業の情報システム担当者や総務部門、そして第一線で働く現場社員の取材データからは、数値上のコスト削減だけでは見えてこない「生々しい利便性と弊害」が浮き彫りになっています。
大手ITメディアやビジネス情報サイトが実施した通信環境に関するアンケート調査や、SNS・コミュニティ上の現場の声を検証すると、まず圧倒的に支持されているのが「取次ぎストレスからの解放」です。
「以前は代表番号しかなく、総務や若手営業が1日に30件以上も『〇〇さんはいらっしゃいますか』という電話を取り次いでいた。ダイヤルインで各部署やプロジェクトごとに番号を割り振って名刺に刷り込んでからは、外線着信の約7割が担当デスクへ直行するようになり、業務中断が劇的に減った」(都内・製造業 総務担当者の証言)
一方で、ダイヤルイン特有の課題として現場から頻繁に挙げられるのが「不在時の放置問題」と「責任の所在」です。
「担当者が外回りや会議で離席している際、直通番号が延々と鳴り続けてオフィス内に着信音が響き渡る。周りの人間も『誰の直通か分からない』『自分の案件ではない』と敬遠し、結果としてクライアントを長時間待たせてしまう事故が初期に多発した」(広告代理店・営業マネージャーの手記より)
誰宛てか特定されているがゆえに、チーム全体での受電フォローが疎かになりやすいという心理的盲点が存在します。この問題を解決するため、PBXの設定で「5コール鳴動して出ない場合はチーム全体の電話機を代理鳴動させる」といったグループ着信機能(コールピックアップ)を併用するのが現場の鉄則となっています。