昭和のストリートを席巻した過激なエネルギーは、やがてスクリーンの中で独自のエンターテインメントへと昇華されていった。かつて東映が手掛けた数々の不良少女映画は、社会の周縁で喘ぐ若者の反骨精神をダイナミックな活劇として描き出し、日本映画のひとつの鉱脈を築き上げた。
この流れに決定的な転換点をもたらしたのが、2004年公開の映画『下妻物語』だ。ロリータ少女と純情なレディース・白百合イチゴの奇妙な友情を描いた本作は、ヤンキー文化が持つ「不器用な純粋さ」と「義理人情」をポップな映像美で再定義し、サブカルチャーの枠組みを大きく押し広げた。
そして近年、その熱量を現代的なコメディと融合させて大ヒットを記録したのが『今日から俺は!!劇場版』である。作中で早川京子を演じた橋本環奈が見せた、凄みのあるヤンキー顔と愛らしい表情のギャップは、往年のスケバン像を現代的な愛されキャラクターへと鮮やかにアップデートした。恐怖の対象だった不良少女は、時代を経て「誇り高きヒロイン」としての地位を確立したのである。