『麒麟がくる 最終回 ネタバレ』において、視聴者の間で最大の議論を呼んだのが、山崎の戦い以降の光秀の命運を描いたラスト数分間のシークエンスでした。通説では、山崎の合戦で羽柴秀吉に敗れた光秀は、坂本城を目指して落ち延びる途中の小栗栖(京都府伏見区)の竹藪で土民の竹槍に刺されて落命したとされています。しかし、劇中では光秀の最期そのものは明確に描かれませんでした。
本能寺の変から数年が経過した天正年間、京の町では「丹波の山奥で光秀様が生きておられるのを見かけた者がいる」という噂が密やかに囁かれます。かつて光秀を慕っていた駒(門脇麦)の目の前を、深編笠をかぶり、颯爽と名馬に跨って山野を駆ける光秀の姿が映し出されて物語の幕が降ります。このシーンを受けて、ネット上では明智光秀 生存説の信憑性を巡る議論が沸騰しました。
歴史上、光秀が生き延びて徳川家康のブレーンである僧侶・南光坊天海になったという俗説は古くから存在します。日光東照宮に残された「明智平」の地名や、天海の筆跡・家紋の類似点などがその根拠として語り継がれてきました。しかし、現代の学術的な歴史研究においては、天海の出自は会津の蘆名氏出身とする見解が定説であり、光秀=天海説を裏付ける一級史料は存在しません。
番組統括や演出陣の公式インタビューによると、あのラストシーンは「史実としての生存」を肯定したものではなく、「平らかな世を願い続けた光秀の志は、民の希望として生き続けている」という余白を残すための芸術的演出であったことが明かされています。暴君を倒し、戦乱の世に終止符を打とうとした光秀の魂は、人々が麒麟を待ち望む限り決して死なないという象徴的な幕切れだったのです。