わかりやすいニュース解説で絶大な人気を誇る池上彰の冠特番においても、かつてスタジオに配置された小中学生や若者の質問が「あらかじめ用意された台本通りではないか」とネット上で激しい議論を呼んだことがある。番組の進行をスムーズにするための事前打ち合わせと、作為的な世論形成の境界線はどこにあるのか。視聴者の目は年々厳しさを増している。
さらに、見逃し配信プラットフォームの普及が、テレビの欺瞞を白日の下に晒す決定打となった。TVerなどの配信サービスにより、視聴者は放送内容を一時停止し、コマ送りで検証できるようになった。その結果、「別の番組で通行人として出ていた人物が、数日後の他局のニュースで別の職業として答えている」といった矛盾が、ネットユーザーの手によって瞬時に暴かれる事態が頻発している。
一方で、ABEMAのようなインターネットテレビ局がノーカット生放送や台本なしの徹底討論を売りにすることで、従来のテレビが作り上げてきた「綺麗に整えられた予定調和」の不自然さがより際立つようになった。編集された映像への疑念は、もはや不可逆なレベルまで広がっている。