「自分一人でできることには限界がある。大切なのは、次の世代に何を残せるかだ」。近年、中田は講演や取材でこの言葉を頻繁に口にするようになった。
かつて自分のために戦っていたアスリートが、地域社会や伝統文化のために動くビジネスマンとなり、いまや「継承」をテーマに掲げている。この精神的な成熟こそが、彼の結婚観や家族観に決定的な変化をもたらしたと見る関係者は多い。
伝統を守るということは、時間を紡ぐことだ。一人で走る疾走感から、誰かと共に歩む持続可能性へ。50歳という大きな節目を前に、彼の中で「家族」という存在の重量感が変わったとしても不思議ではない。