熱海梅園が誇る美しさは、緻密な歴史的背景の上に成り立っている。明治19年(1886年)、横浜の豪商であった茂木惣兵衛らが「温泉療法に頼るだけでなく、適度な運動で身体を養う場を」と提案し、開園に至った。園内を流れる初川のせせらぎや配置された韓国庭園、中山晋平記念館などは、長い年月をかけて育まれた文化の積層を感じさせる。
さらに園内に隣接する「澤田政廣記念美術館」も見逃せない。静岡県熱海市名誉市民第一号であり、文化勲章を受章した木彫界の巨匠・澤田政廣の力強くも繊細な作品群が収蔵されている。力強い木彫仏像や洗練された絵画の世界に浸った後、再び梅の香る庭園へと足を踏み出せば、時空を超えた芸術の余韻に包まれるはずだ。