なぜサンリオはキャラクタービジネスへと舵を切ったのでしょうか。その背景には、創業時のドラマチックな転換点がありました。
サンリオの前身は、1960年8月に辻信太郎氏によって設立された「株式会社山梨シルクセンター」です。資本金100万円でスタートした同社は、当初は山梨県の特産品である絹製品や雑貨を取り扱う卸売業を営んでいました。しかし、ある日、何の変哲もない無地のビーチサンダルに「いちごのイラスト」をプリントして店頭に並べたところ、飛ぶように売れるという劇的な現象が起きました。
「ほんの少しの可愛いデザインやイラストを添えるだけで、モノの価値は何倍にも高まり、手にした人に笑顔を届けることができる」。この強烈な原体験が、のちのサンリオの企業理念である「Small Gift, Big Smile(ほんの小さな贈り物が、大きな笑顔をつくる)」の原点となりました。
その後、他社からの版権キャラクター(スヌーピー等)のライセンス商品を扱う中で自社IPの必要性を痛感し、1973年の社名変更とともに初の自社キャラ「コロちゃん」が誕生することとなったのです。