耳に残るあのアップテンポなメロディのベースとなったのは、19世紀のアメリカ南北戦争時代に生まれた名曲「リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republic)」である。日本では童謡「ともだち賛歌」や「ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた」のメロディとしても広く親しまれている。
ヨドバシカメラがこの楽曲を採用した経緯は、1970年代の創業期にまでさかのぼる。創業者である藤沢昭和氏が、誰の耳にも馴染みやすく、歩行者の足を自然と止めるような行進曲のリズムに着目し、自ら歌詞を書き下ろしたのが始まりとされる。
当時、新宿西口は現在のような超高層ビル群の街並みではなく、急速な再開発が進む過渡期にあった。その中で「山手線の真ん中を通る中央線」というわかりやすいランドマーク表現を用いたことで、地方から上京してきたばかりの学生やビジネスパーソンにも店舗の場所が一発で認知されるようになった。商業広告と音楽が融合した、日本のマーケティング史に残る成功例といえる。