日曜劇場という歴史ある枠で圧倒的存在感を放ったのが、TBSテレビが満を持して放送した『マイファミリー』だ。主演の二宮和也が演じたのは、娘を誘拐されたゲーム会社社長。警察を排除して夫婦だけで娘を取り戻そうとする極限状態の心理戦は、視聴者の胃をキリキリと締め付けた。
本作の撮影現場は、画面上の切迫感に負けず劣らず緊張感に満ちていたという。関係者によれば、二宮和也は台本に書かれた台詞をそのままなぞるだけでなく、現場での空気感や共演者との間合いに応じて緻密な即興のニュアンスを注入していた。誘拐事件という過酷な題材でありながら、家族の絆と愛の本質を問い直す重厚な人間ドラマへと昇華させた手腕は、彼のキャリアにおいても特筆すべき到達点となった。