技術の進化がもたらした省エネ性能の裏にも、思わぬ死角が潜んでいる。近年のエアコンで主流となっているのは、地球温暖化係数が低い代替フロン冷媒(R32)だ。従来フロンに比べて環境負荷が著しく低いという大きなメリットを持つ反面、微可燃性という物理的特性を有している。
心臓部である室外機コンプレッサー(圧縮機)内部では、高圧下で冷媒ガスが循環している。万が一、設置時の配管接続不良や過度な振動、あるいは内部腐食によって配管からR32が微量漏洩した場合、閉塞された筐体内にガスが滞留する。そこにコンプレッサーの高熱や配線からの火花が接触すれば、極めて高いエネルギーを伴う爆発的燃焼を起こす。エアコンの省エネ化・高効率化が進む一方で、安全管理の難易度もまた上がっているのだ。