結論から言えば、主人公の卯野めいこをはじめとするメインキャラクターに、直接的な「特定の単一モデル」は存在しない。実在する特定の人物の生涯をそのまま辿った伝記ものではなく、完全なオリジナルストーリーとして企画されたからだ。
しかし、全く手がかりがないわけではない。大正から昭和初期にかけて、関東大震災や第二次世界大戦といった困難を乗り越えながら、家族の食卓を守り抜いた当時の一般的な日本女性たちの生き様そのものが、ヒロインのモチーフとなっている。東京の西洋料理店の娘が大阪の伝統的な商家へ嫁ぎ、東西の食文化の違いに苦戦しながらも独自の食卓を築いていくプロセスには、当時の暮らしの知恵や歴史的記録が色濃く反映されているのだ。