収入印紙とは、国が租税(印紙税)や行政手数料を徴収するために発行している公的な証票です。財務省および国税庁が所管する「印紙税法」に基づき、特定の経済的取引を証明する文書を作成した人物に対して課税されます。
「なぜ紙の書類を作っただけで税金を徴収されるのか」という根本的な疑問に対し、税制上は「担税力(たんぜいりょく)」という概念で説明されます。多額の金銭が動く契約書や領収書を作成できる当事者には、経済的な利益が生じており、税金を負担する能力があるという見解です。また、商取引における権利関係を証明し、法的な保護や公的な信用を文書に付与するためのインフラ維持費という側面も持っています。
印紙税法では、課税対象となる文書を「第1号文書から第20号文書」までの20種類に細かく分類しています。実務で頻繁に登場するのは、不動産売買や金銭消費貸借などの「第1号文書」、請負契約や業務委託契約などの「第2号文書」、そして売上代金の受取書(領収書)である「第17号文書」です。これらに該当しない文書(例えば単なる通知書や委任状など)には、どれほど高額な取引内容が記載されていても収入印紙を貼る必要はありません。