死後、師である荻原井泉水らの手によって編纂された自選句集『大空』は、放哉の魂の記録そのものである。無駄を徹底的に削ぎ落とした句の数々は、時代を超えて読む者の心に深く刺さり続けている。
現代では、青空文庫を通じて若年層を含めた多くの読者に作品が手軽に親しまれるようになった。また、NHKのドキュメンタリー番組や文学特集でも度々その生涯が取り上げられ、特集が組まれるたびにSNS上で大きな反響を呼んでいる。生前は社会から取り残された男が、没後100年近くを経てもなおメディアや現代人の心を惹きつけて止まないのは、彼が描いた孤独が、孤立しがちな現代社会を生きる人々の孤独と深く共鳴しているからにほかならない。