こうした現象の背景には、急速に変化したソーシャルメディアカルチャーが存在する。Instagramでの「いいね」の数や、X (旧Twitter)での拡散数、YouTubeにおける再生回数の競争が、個人の撮影スタイルを過激化させているのは疑いようがない。人より目立つインパクトのあるビジュアルを求めるあまり、危険な場所での撮影や、プライバシーを無視したゲリラ的な撮影が横行するようになった。
ショート動画プラットフォームでは「バズる撮影の裏側」と称して、路上で他人の姿を無許可で捉える手法が持て囃されることもある。デジタル空間での瞬間的な評価が、リアルな現実世界での配慮や道徳観を塗り替えてしまう。スクリーンの中で賞賛を得る代償として、目の前の現実に存在する人々への敬意が置き去りにされているのだ。