短期的なカフェインの反応とは対照的に、長年の飲用習慣がもたらす健康効果については揺るぎないデータが存在する。ハーバード公衆衛生大学院のフランク・フー教授(栄養学・疫学)らの研究チームは、数十年間に及ぶ数十万人規模の追跡データを解析してきた。
医学論文データベースPubMedに収載された一連の論文によると、1日に数杯のコーヒーを継続的に飲む習慣がある人は、まったく飲まない人に比べて2型糖尿病の発症リスクが著しく低いことが示されている。長期的な摂取によってクロロゲン酸の抗酸化作用や抗炎症作用が体内に蓄積し、膵臓のβ細胞の機能を保護するとともに、全身のインスリン感度を高めるためだと考えられている。短時間の血糖値の揺らぎを超えて、長期的な代謝基盤を強化する効果が科学的に裏付けられているのだ。