定額制配信サービスが生活に定着した現在も、熱狂的なシネフィルたちから愛され続けているのが、地上波の深夜映画枠です。自ら検索して作品を選ぶオンデマンド型とは異なり、「偶然の出会い(セレンディピティ)」をもたらすキュレーションメディアとして、独自の地位を確立しています。
テレビ局の編成戦略において、特に異彩を放ち続けているのが深夜映画枠テレビ東京(『サタ☆シネ』など)の番組構成です。80〜90年代の骨太なアクション、カルト的人気を誇るB級パニック、欧州ミステリーの掘り出し物まで、民放キー局とは一線を画す尖ったラインナップはSNSでも深夜の実況トレンドに頻繁に浮上します。テレビ東京の映画編成担当者が過去の業界座談会で明かした「深夜枠の役割は、誰もが知る大ヒット作を流すことではなく、眠気と戦いながら観た記憶が一生残るようなフックのある作品を届けること」という哲学は、今なお色褪せていません。
また、日本テレビの『映画天国』をはじめとする関東ローカルや各局の不定期放送枠も要注目です。映画天国放送スケジュールは定期枠から不定期特番型へとシフトしているものの、アカデミー賞ノミネートの単館系アート映画や新進気鋭の国内監督の初期作など、実験的かつ高水準な作品をセレクトする傾向が強まっています。リアルタイムの地上波深夜映画番組表を電子番組表(EPG)や公式SNSで事前にチェックしておくことは、予期せぬ傑作と巡り合うための必須テクニックです。