瀧本幹也のキャリアにおいて見逃せないのが、映画監督・是枝裕和との深い協働関係です。映画『そして父になる』(2013年)、『海街diary』(2015年)、『三度目の殺人』(2017年)において撮影監督(Cinematographer)を務めた瀧本は、動画像と静止画のあわいを高度にコントロールしました。
静止画だからこそ宿る映画の空気感
映画の公開と同時に刊行された写真集『海街diary』(青幻舎)は、単なるスチール写真集ではありません。撮影現場で映画カメラの脇から、あるいは撮影の合間に瀧本自身のスチールカメラによって切り取られた独自の視線で構成されています。
- 鎌倉の四季の移ろいと光の粒子
- 四姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず)の表情に立ち上る生身の気配
- スクリーンには映り切らない映画の「余白」の空気
動く映像のフレームを切り取る映画撮影技法と、光の一瞬を凝縮する写真家としての技術が奇跡的なバランスで融和した本集は、映画ファンのみならず写真集コレクターからも極めて高く評価されています。