両国の固い絆の根底には、1世紀以上前に始まった移民の歩みがあります。1908年(明治41年)、781人の日本人を乗せた移民船「笠戸丸」がサントス港に到着したことから、本格的なブラジル移住の歴史が幕を開けました。
当初、多くの移住者は過酷な環境のコーヒー農園で契約労働者として従事しました。マラリアなどの風土病や重労働に苦しみながらも、勤勉さと創意工夫で自作農へと転換。品種改良や近郊農業の開拓を通じてブラジルの農業近代化に大きく貢献し、現地社会で絶大な信用を勝ち得ていきました。
現在、ブラジル国内の日系人人口は世界最大規模となる約270万人以上に達し、政財界、医療、学術など幅広い分野で指導的地位を占めています。
一方、1990年の出入国管理法改正を機に、今度は日系ブラジル人が「出稼ぎ」や定住のために日本へ移住する逆の流れが本格化しました。愛知県、静岡県、群馬県などを中心に多くのブラジル人コミュニティが形成され、日本のものづくり産業の現場を支える不可欠な存在となっています。