彼女の名を世に知らしめた金字塔といえば、『アフタヌーン』グランプリを受賞して鮮烈なデビューを果たした『臨死!!江古田ちゃん』だ。東京・江古田を舞台に、フリーターとして生きる主人公の等身大すぎる日常を描いたこのギャグ漫画は、それまでの「等身大の女子像」というぬるま湯のような概念を力任せに打ち砕いた。
「猛き者(猛禽類女子)」への身も蓋もない偏見と観察眼、深夜の自虐的独白、そして剥き出しの人間臭さ。作者自身の実体験と鋭利な観察から生まれたこの作品の誕生秘話には、当時の過酷な生活環境や、周囲への強烈な違和感が燃料となっていたという裏事情がある。読者は江古田ちゃんの滑稽な姿に爆笑しながらも、どこかで自らの本音を突きつけられたような戦慄を覚えた。