宮沢りえが魅せた大人の色気と色褪せない美の真髄とは何か。それは、世間の視線やタブーを恐れず、傷つくことを厭わずに役柄と心中できる「強さ」にほかならない。伝説の写真集『Santa Fe』の秘話から、映画『紙の月』などの体当たり演技まで徹底解剖すると見えてくるのは、自らの身体性を最も純粋な表現ツールとして差し出す覚悟だ。
年齢を重ねるごとに増していく気品と、ふとした仕草から漂う芳醇な大人の色気。若い頃の瑞々しさを過去のものとするのではなく、人生の酸いも甘いも呑み込んだ人間味が、彼女の放つオーラをより濃厚なものにしている。彼女が画面に立つだけで空間の温度が変わり、観客は物語の深層へと引きずり込まれる。