国際的なスポーツイベントのたびにメディアの耳目を集めてきたのが、通称「美女応援団」です。彼女たちは決して一般公募で集められた民間人ではなく、北朝鮮当局が威信をかけて組織する国家プロジェクトの一環として選ばれています。
選考基準は極めて厳格で、身長160〜165cm以上の均整の取れたスタイル、整った容姿はもちろんのこと、何よりも「出身成分(ソンブン)」と呼ばれる過酷な身分制度で最高ランクに位置する家庭の出身者であることが絶対条件です。平壌音楽舞踊大学や金星学院といった芸術系エリート校の学生から選りすぐられ、思想教育と厳しい規律を叩き込まれます。
任務を終えた美女応援団のメンバーたちのその後のキャリアは、特権層としての待遇が約束されるケースが目立ちます。朝鮮労働党の幹部や軍高官、外交官との見合い結婚が用意されるほか、国営芸術団の幹部や大学教員として平壌で安定した地位を築くルートが確立されています。
また、北朝鮮版ガールズグループとして一世を風靡したモランボン楽団(牡丹峰楽団)の歴代美女メンバーも同様です。金正恩総書記の側近として権勢を振るう玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏の差配のもと、卓越した演奏技術と容姿を兼ね備えたエリート音楽家たちが集められ、現在も体制維持と国内プロパガンダの中核として特別な地位を享受しています。