実際に30キロ袋を購入している生活者や、米農家の現場からはどのような声が上がっているのでしょうか。SNSやコミュニティサイト、さらには産地取材から集まった生の声を検証すると、単なる数字上の損得では測れないリアルな実情が浮かび上がってきます。
都内在住の40代主婦は、次のように語ります。
「食べ盛りの男の子が2人いるので、少しでも安くとネットで玄米30kgを1万3,000円で購入しました。でも、届いた紙袋を2階のリビングまで運ぶだけで腰を痛めそうになり、さらにコイン精米機まで車で運ぶ手間が本当に重労働。精米代も数百円かかり、トータルで見ると10kg袋をこまめに買うのと労力が見合わないと感じてしまいました」
一方で、地方都市に暮らす50代男性は満足感を示しています。
「近所のホームセンターで地元産のお米を30kg単位で買い、自宅の小型精米機で食べる分だけ都度精米しています。以前より価格は上がりましたが、5kgパックを毎週買いに行くストレスから解放されましたし、精米したての味はスーパーの白米とは別格です」
こうした消費者の戸惑いに対し、東北地方で米作りを営む農家は厳しい現場の内情を吐露します。
「『米が高くなった』とお叱りを受けることもありますが、農薬や肥料代、機械の減価償却費を差し引けば、手取り額は決して潤沢ではありません。むしろ過去20年間の米価が安すぎたのです。これでも次世代に田んぼを継がせるにはギリギリの採算ラインです」