インデュラという存在は、原作本編だけでなく劇場版『七つの大罪 天空の囚われ人』においても物語の根幹を成すキーワードとして登場しました。
劇場版に登場した個体は、個人の魔神が変身した姿ではなく、古代の天空の世界「天空宮」に封印されていた超巨大な魔獣「インデュラ(インデュラの主 / 伝説の巨獣)」です。魔神族の残党「黒の六騎士」のリーダーであるベルリオンらは、魔神王の命によりこの巨獣を復活させ、天界を支配しようと画策しました。
復活した巨獣インデュラは山のような巨躯を誇り、口から放つエネルギー波一撃で天空宮の浮島を粉砕するほどの絶大な脅威を見せました。最終的にはメリオダスをはじめとする〈七つの大罪〉メンバー全員の魔力を結集させた合技によって討伐されましたが、この描写により「インデュラとは古代より魔界の深淵に蠢く根源的な破壊エネルギーそのものである」という世界観の深みが補強されました。
インデュラの元ネタと由来の考察
「インデュラ」という名称の由来について公式から明言された設定書はありませんが、神話学および鈴木央作品の命名パターンからヒンドゥー教の雷霆神「インドラ(Indra)」が有力な元ネタと目されています。インドラは強力な破壊力と雷を司り、数々の魔物や巨竜(ヴリトラ)を打ち倒す一方、時に暴走する神として描かれます。
鈴木央氏の緻密な作劇では、アーサー王伝説を主軸にしつつ、ケルト神話、ヒンドゥー神話、キリスト教の悪魔学が融合されています。神の力にも匹敵する暴走の獣に「インドラ」の響きを重ね合わせたネーミングは、まさに作品の重厚なハイファンタジー性を象徴しています。