「十」と書いてなぜ読める?謎多き「つなし」苗字の驚きのルーツ

「十」と書いてなぜ読める?謎多き「つなし」苗字の驚きのルーツ

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漢字の「十」を「つなし」と読ませる理屈は、日本の伝統的な数の数え方に由来する。大和言葉で数をひとつ、ふたつ、みっつと数え上げていく場面を思い出してほしい。

「ひとつ(1)」「ふたつ(2)」「みっつ(3)」……と順に唱え、「ここのつ(9)」まで進むと、すべての数字の末尾に「つ」という助数詞が付く。ところが「10」に達した瞬間、読み方は「とお」へと変化する。「とお」には「つ」が付かない。つまり、「つ」が無いから「つなし(十)」と読ませるわけだ。

日本語学の視点から見ても、この命名法は言葉の響きや構造を巧みに利用した高度な言語遊戯の一種といえる。歴史民俗学の研究者たちによれば、江戸時代から明治初期にかけての庶民や神職、学問に親しんだ庄屋層は、こうした言葉の洒落を好んで名乗りに取り入れた。日常の何気ない数え歌をウィットに富んだアイデンティティへと昇華させた先人たちの知恵が、そこには息づいている。

山田 真由
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山田 真由

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