ポニョの母親であり、海の女神であるグランマンマーレ。その包み込むような美しさと圧倒的な神々しさを声で表現したのが、元宝塚歌劇団トップスターの天海祐希だ。
彼女の低く澄んだ声は、画面に登場した瞬間に物語のスケール感を一気に宇宙的な広がりへと拡大させる。夫であるフジモトの苛立ちをやさしく受け止め、娘の成長と選択を温かく見守る母性は、天海祐希の凛とした声質があってこそ成立したと言っても言い過ぎではない。
セリフの数は決して多くないものの、作品全体のクライマックスに向けた安心感と重厚感をもたらす大黒柱としての役割を見事に果たしている。