昭和20年代後半の新宿は、混沌と活気に満ちていた。買い出しの人々や闇市がひしめく街の一角で、森英恵は洋服作りに没頭していた。当時、日本の女性たちの多くはまだ着物や簡素なもんぺ姿だったが、西洋のモダンなライフスタイルへの憧れは確実に芽生えつつあった。彼女が仕立てるスマートで洗練された洋服は、瞬く間に口コミで評判を呼び、地元の映画館や劇場の関係者の目に留まることになる。
生誕100年、いま甦る「世界のモリ・ハナエ」の原点。戦後日本の復興をモードで牽引した、若き日の情熱と知られざる葛藤
•
•
1分で読める