百万遍の街を語る上で欠かせないのが、この地を舞台にした現代文学とアニメーションの存在だ。作家・森見登美彦が描く独特なファンタジー世界の多くは、この京都大学周辺の風景から生み出された。
代表作であるアニメ『四畳半神話大系』や映画『夜は短し歩けよ乙女』に登場する古本市、怪しげな居酒屋、そして何気ない路地裏の風景。ファンにとってこの地域は、まさに作品の世界観に直接入り込めるファンタジックな聖地だ。学園・青春ファンタジーの金字塔として愛されるこれらの作品の影響により、近年では国内にとどまらず、作品の舞台を巡る「聖地巡礼・ロケ地観光」を楽しむ人々が絶えない。作中に出てくる下宿風の建物や、古書がうずたかく積まれた店先に立ち止まれば、まるでアニメのキャラクターがひょっこり角から現れるような錯覚に囚われる。