常に孤高を貫き、どこか他者と距離を置く義勇の態度の裏には、胸をえぐるような悲痛な過去が存在する。最終選別において、親友であった錆兎が命を賭して他の候補生たちを護り抜いた事実。自分は一匹の鬼も倒すことなく生き残ってしまったという強い苛まされ感が、長年にわたり彼の心を縛り続けていた。
「自分は柱になっていい人間ではない」という自己否定の念は、鬼殺隊の中でも異彩を放つコンプレックスだった。しかし、炭治郎の情熱的な言葉と託された想いによって、義勇はついに自らの立ち位置を受け入れ、真の覚悟を決めるに至る。この内面的な救済と覚醒のプロセスこそが、彼の物語に深い感動をもたらしている。