大葉健二氏の現在の闘病姿勢を理解する上で欠かせないのが、その比類なきキャリアです。故・千葉真一氏が創設した伝説のスタント・アクション集団「ジャパン・アクション・クラブ(JAC)」の第1期生として入門。スタントマンとして命がけの現場を数多く経験し、頭角を現しました。
1979年の『バトルフィーバーJ』(バトルケニア/曙四郎役)、1980年の『電子戦隊デンジマン』(デンジブルー/青梅大五郎役)でスーパー戦隊シリーズの草創期を牽引。そして1982年、単独主演作『宇宙刑事ギャバン』(一条寺烈役)が爆発的な大ヒットを記録します。蒸着プロセスで見せる鋭い眼光、吹き替えなしの超絶アクロバット、そして人間味あふれる温かな演技は、メタルヒーローシリーズの基礎を築き上げました。
その卓越した身体能力と存在感は海を越え、クエンティン・タランティーノ監督の熱烈なオファーにより映画『キル・ビル Vol.1』(2003年)に出演。千葉真一演じる服部半蔵の弟子・シロー役としてハリウッドのスクリーンに刻まれたキレのある動きは、世界の映画ファンを熱狂させました。
「どんなに高い壁でも、身体が覚えている技と魂で飛び越える」――かつてスクリーンで見せたそのアジリティと不屈の闘志が、現在の病気療養という人生最大の試練においても大葉氏の魂の芯を支えています。