かつて大ブレイクの後に長い不遇の時期を過ごした有吉弘行の傍らには、いつもダチョウ倶楽部の上島竜兵がいた。東京・中野の居酒屋に夜な夜な集まった「竜兵会」は、単なる飲み会ではない。行き場を失った若手芸人たちが膝を突き合わせ、愚痴をこぼし、それでも明日の笑いを模索する大切なシェルターだった。
上島竜兵は後輩たちに偉そうな説教をすることはめったになかった。ただただ財布を開いて腹いっぱい飯を奢り、親身に話を聞いた。有吉弘行が「あの時期、上島さんがいなかったら間違いなく廃業していた」と振り返る通り、竜兵会で交わされた温かな酒杯こそが、毒舌王として再ブレイクを果たす強靭な精神力の土台となったのだ。