宮城県の大崎市岩出山地区に位置するこの施設は、創設当初から明確な哲学を持って設計された。その中核を担ったのが、日本を代表する建築家である六角鬼丈氏だ。彼は人間が体感する内面的な意識や感覚の揺らぎを建築として具現化することを目指した。
この試みの根底にあるのが「心象館プロジェクト」という理念である。物質的な豊かさに偏重しがちだった社会に対し、心象風景や五感の記憶を呼び覚ます場をつくるという壮大なテーマが込められている。大崎市の自然と調和するよう緻密に計算された建物は、建築そのものがひとつの巨大な作品として訪れる者を包み込む。