映画『トイ・ストーリー3』で初登場を果たしたロッツォ・ハグベア(Lots-o'-Huggin' Bear)は、ピンク色のモヘア生地で作られたヴィンテージのクマのぬいぐるみです。劇中でも明かされている通り、最大の特徴は「抱きしめると甘いイチゴの香りがする」という特殊な仕様にあります。胸元をぎゅっと抱きしめられることを目的に設計されたハグベアは、本来であれば子どもたちに無償の愛と温もりを届けるための存在でした。
日本語吹き替え版の声優を担当したのは名優・玄田哲章氏(原語版は名バイプレイヤーのネッド・ビーティ氏)です。重厚で温かみのある低音ボイスが、序盤の「包容力あふれる頼れるリーダー」から中盤以降の「冷徹で威圧的な独裁者」への豹変に見事な説得力を与え、キャラクターの二面性を際立たせました。
一見すると古びた杖をつき、新入りのオモチャたちを優しく迎え入れるサニーサイド保育園の長老的存在ですが、その内面には深い絶望と他者への強烈な不信感が渦巻いていました。