インターネット黎明期から現代に至るまで、まことしやかに囁かれ続けているのがサザエさん 最終回 都市伝説です。なかでも最も広く流布しているのが、「サザエさん 幻のラスト ハワイ旅行」と呼ばれる不気味なエピソードでしょう。
その内容は、「商店街の福引でハワイ旅行を当てた磯野家一同が飛行機に乗り込むものの、太平洋上で墜落事故に遭い、海に投げ出された家族全員が魚や海産物の姿に戻って海へ還っていく」というショッキングな結末です。登場人物の名前がすべて海の生き物や海産物に由来していることから、もっともらしい解説とともに語り継がれてきました。
取材と公式記録の照合により断言できるのは、このエピソードは100%後世に作られた創作・デマであるという事実です。原作者・長谷川町子美術館およびアニメを制作するエイケン、フジテレビのいずれもこの噂を完全に否定しています。発祥は1980年代後半から1990年代初頭の学生コミュニティや同人誌、ネット掲示板とみられ、国民的人気作のギャップを狙った典型的なアングラ都市伝説にすぎません。
実際のサザエさん 原作 最終回は、1974年2月21日の朝日新聞朝刊に掲載された4コマ漫画です。そこでは作者の体調不良による連載終了(事実上の休載のまま完結)が告げられただけであり、劇中で家族の誰かが命を落としたり劇的な別れを迎えたりする描写は一切ありませんでした。