「朝、窓を開けると山から冷涼な風が吹き抜け、夜は静寂に包まれる。それでいて大手町まで電車で通える」。近年、寄居に移住したIT企業勤務の30代男性は満足げに語る。
リモートワークの定着とライフスタイルの多様化に伴い、都心へのアクセスと自然環境のバランスに秀でたこの町を人生の拠点に選ぶ現役世代が後を絶たない。駅周辺にはリノベーションされたカフェやシェアオフィスが点在し、古い街並みに新しいカルチャーの風を吹き込んでいる。行政による住宅取得支援や子育て環境の拡充も相まって、単なるベッドタウンを超えた「自立型コンパクトシティ」としての輪郭がくっきりとしてきた。