環境に適応した行動パターンにも、両者の生き残り戦略が鮮明に表れています。サバンナや乾燥地帯、岩場などを生き抜くアフリカヒョウは、ライオンやブチハイエナといった強力なライバルから獲物を守るため、卓越した木登り能力を発達させました。自分の体重と同等以上のインパラなどをくわえたまま垂直に近い樹木を駆け上がり、枝の上に獲物を吊るして保存する習性があります。
一方、南米アマゾンの水辺や湿地帯の頂点捕食者であるジャガーは、大柄な体躯のため身軽な木登りはあまり得意としません。その代わり、ネコ科としては例外的な圧倒的な泳ぎの巧さを誇ります。川を悠々と泳ぎ渡り、水中でカイマン(ワニ)やカピバラを強襲します。
狩りのフィニッシュも対照的です。ヒョウが獲物の喉元(気管や頸動脈)に噛みついて窒息死させるセオリー通りの狩りを行うのに対し、ジャガーは強力な咬合力を活かして獲物の「側頭骨や耳の付け根」を直接噛み砕き、脳を破壊して即死させる独特の暗殺術を使います。