恥垢そのものは無菌状態で生成された直後はそれほど強い臭いを放ちません。しかし、体温に近い温湿度の中で時間が経過すると、皮膚の常在菌(ブドウ球菌や嫌気性菌など)が恥垢に含まれる脂質やタンパク質を分解し、イソ吉草酸などの揮発性脂肪酸を生成します。
これが「発酵したチーズのような臭い」「ツンと鼻を突く酸っぱい刺激臭」の元凶です。
さらに長期間放置すると、以下の臨床的トラブルへと進行します。
- 亀頭包皮炎(男性):細菌や真菌(カンジダ菌)が異常増殖し、亀頭や包皮が赤く腫れ上がり、排尿時の痛みやただれ、膿(うみ)の排出を招く疾患です。慢性化すると包皮口が硬化し、開口部が狭窄する恐れがあります。
- 外陰部皮膚炎・バルトリン腺炎(女性):恥垢の滞留部で繁殖した雑菌が粘膜のバリアを突破し、強い痒みや灼熱感、腫脹を引き起こします。分泌腺の開口部が塞がれると嚢胞を形成することもあります。
- パートナーへの細菌感染リスク:炎症を起こした状態で性交渉を行うと、細菌や真菌がパートナーに移行し、相手側の膣炎や尿道炎を引き起こす要因となります。