猫が普段以上に横たわっている際、それが生理的な休息なのか治療を要する警告なのかを分ける境界線は、「覚醒時の反応」と「呼吸・姿勢の安定性」にあります。
病気や痛みを抱えている猫は、体力を温存するために活動量を極限まで減らします。健康な睡眠であれば、お腹を見せて伸び伸びと寝返りを打ったり、丸くなって心地よさそうに目を細めたりします。しかし、内臓痛や関節痛、発熱を抱えている場合、香箱座りのような体勢のまま背中を丸めて硬直していたり、暗く狭い場所に閉じこもって動かなくなったりする傾向が顕著です。
特に注視すべきは呼吸の状態です。安静時における健康な成猫の呼吸数は1分間に20〜30回程度です。胸や腹部が激しく上下し、安静時にもかかわらず1分間に40回を超えている場合や、猫が呼吸が早い状態で寝てる場面が確認された際は、胸水貯留、肺炎、あるいは肥大型心筋症に伴う肺水腫などの呼吸不全・循環不全を引き起こしているリスクが高まります。口を開けて呼吸している(開口呼吸)場合は一刻の猶予も許されない緊急事態です。