キャノーラ油の製造プロセスに関して、消費者が最も不安を抱きやすいのが「遺伝子組み換え作物」の使用と「ヘキサン抽出法」と呼ばれる抽出工程です。
日本で消費されるキャノーラ油の原料となる菜種の大部分は、カナダやオーストラリアからの輸入に依存しており、その多くは害虫抵抗性や除草剤耐性を持つ遺伝子組み換え菜種です。この点について不安視する声もありますが、植物油の精製工程においてDNAやタンパク質は完全に分解・除去されます。そのため、最終製品である食用油の中には遺伝子組み換え由来の遺伝子やタンパク質は残存せず、食品衛生法上も表示義務の対象外となっています。
油を搾り取る工程で使用される有機溶剤「ノルマルヘキサン」についても、誤解が目立ちます。油分の回収効率を高めるためにヘキサンが用いられますが、ヘキサンの沸点は約69℃と低く、その後の精製工程(200℃以上の高温減圧処理)で完全に気化・除去されます。製品版の油からヘキサンが検出されることはなく、残留リスクは科学的に否定されています。
さらに、高温脱臭工程で微量に発生するトランス脂肪酸についても、国内主要メーカーの継続的な技術革新により大幅に低減されています。現在の市販キャノーラ油に含まれるトランス脂肪酸はごくわずかであり、欧米のように心疾患リスクを引き起こすレベルからは程遠い水準に抑えられています。