いまや誰もが知るこのステップですが、「ランニングマン 歴史 元祖」を紐解くと、1980年代半ばのストリートカルチャーとポップミュージックの交差点に辿り着きます。
米国の黒人文化・カルチャー誌『エッセンス』などの記録によると、ランニングマンを考案したのは、後に振付師や歌手として世界を席巻するポーラ・アブドゥル(Paula Abdul)です。彼女がジャネット・ジャクソンの名盤アルバム『コントロール』(1986年発売)の振付を担当していた際、走る人のダイナミックな推進運動をダンスに落とし込んで開発したのが起源とされています。その後、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、MCハマーやボビー・ブラウンらがニュージャックスウィングの強烈なビートに乗せて踊ったことで、ヒップホップ 基本ステップの代表格として世界中に定着しました。
それから約30年の時を経た2014年、日本においてこのステップの定義を大きく塗り替えたのが、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの代表曲『R.Y.U.S.E.I.』でした。従来のヒップホップにおけるランニングマンは、腰を低く落とし、重心を床へ沈み込ませる「ダウン」のリズムで重厚に踊るのが定石でした。しかし、パフォーマーのELLY氏らが提示した「三代目JSB RYUSEI ランニングマン」は、テンポの速いEDMサウンド(BPM約128)に合わせ、上半身を立たせて軽やかに宙を跳ねるような「アップ」の推進力と、腕を前後に力強く振るシンクロパフォーマンスへと昇華させたのです。このアレンジが日本人の心を掴み、国民的な大流行へと発展しました。