SNSやネット掲示板で語られる「ビッグサンダー・マウンテンは乗る席によって別物になる」という説は、都市伝説ではなく力学的な事実です。列車型コースターの物理特性を理解すれば、恐怖を大幅に軽減させることが可能です。
列車は全長が長いため、坂を下る際の挙動が前と後ろで劇的に異なります。最前列(1列目付近)の車両が坂の頂上を越えて下り始めるとき、後続の重い車両群はまだ登坂中であるため、先頭車両はブレーキをかけられたようにゆっくりと下り始めます。加速がつくのは列車全体が坂に入った後です。つまり、ビッグサンダーマウンテンの怖くない座席は、圧倒的に「前方(1〜3列目)」です。
一方、最後尾(14〜15列目)は全く逆の物理現象に晒されます。先頭車両が坂を下りきってフルスピードに達したタイミングで、最後尾車両は一気に坂の頂点から前方に「引きずり落とされる」形になります。頂上を越える瞬間からトップスピードで落下するため、後方席ではわずかながらフワリとした浮遊感が生じ、激しい遠心力と風圧が身体を襲います。スリルを求めるファンが「乗るなら最後尾一択」と絶賛する理由はここにあります。
どうしても恐怖を抑えたい場合は、乗り場の手前にいるキャストに対して「絶叫系が不慣れなため、できれば前方の席をお願いできますか」と丁寧に相談してみるのも有効な選択肢です。混雑状況や運行管理の都合上、100%確約されるわけではありませんが、可能な範囲で配慮してもらえるケースがあります。