小児科医であり発達脳科学の権威でもある榊原洋一氏をはじめとする専門家たちは、生後数カ月から1歳前後に見られる「いたずら行動」こそが脳の爆発的な成長の証であると指摘する。乳幼児発達心理学の知見によれば、子どもは「押したら鳴る」「引いたら出てくる」という原因と結果の法則を、自らの手を動かして検証しているのだ。
このプロセスで極めて重要な役割を果たすのが指先知育だ。つまむ、ひねる、引っ張る、押すといった微細な指の運動(巧緻性)は、大脳皮質の広範な領域をダイレクトに刺激する。大人が見れば単なる悪戯の反復であっても、赤ちゃんの脳内ではシナプスが急速に結合し、空間認識能力や自己効力感が培われている。