かつて放送され、現在はNHKオンデマンドでも検証資料として触れられるNHKスペシャル『日本と朝鮮半島2000年』などの番組群は、当時を生き抜いた当事者たちの貴重な証言を今に伝えている。「学校で名前を呼ばれるたびに、自分が自分でなくなるような恐怖を感じた」「親に泣いて日本名を付けてくれと懇願した自分が恥ずかしい」――カメラの前で涙を流した高齢者たちの声は、公文書の文字だけでは測れない心の傷跡を生々しく伝える。
日本の敗戦後、1946年の「朝鮮姓名復旧令」によって朝鮮半島では旧姓への回復がなされた。しかし、日本国内に留まった在日コリアンの間では、差別や就職難を回避するための「通名」として日本名を使用し続ける構造が残存した。名前とは誰のものか。他者から呼ばれる名前に国家が介入した傷痕は、数世代を経た現在の多文化共生社会においても、重い問いを投げかけ続けている。