対照的に、タレントとして「好感度」そのものを商品としていたベッキーの再生への道のりは、より内省的で険しいものとなった。かつて求められていた「完璧で常に笑顔の元気な女性」という重圧を脱ぎ捨て、自らの弱さや人間らしい揺らぎを隠さないスタンスへと舵を切ったのである。
結婚や出産といった人生の大きな節目を経て、彼女の表現には深い陰影と説得力が宿るようになった。地上波テレビの制約から解き放たれ、ABEMAなどのインターネット配信プラットフォームやリアリティショーで見せる率直な語り口、あるいは女優としての生々しい演技は、かつてのバラエティクイーン時代とは一線を画す。飾らない等身大の言葉を選ぶ彼女の姿に、かつて石を投げていた世間もまた、静かに共感を寄せるようになっていった。