日本三大和牛の「最後の1枠」はどこ?近江牛と米沢牛の論争に終止符を打つ

日本三大和牛の「最後の1枠」はどこ?近江牛と米沢牛の論争に終止符を打つ

日本三大和牛の「最後の1枠」はどこ?近江牛と米沢牛の論争に終止符を打つとはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

三大和牛の枠組みが確立される一方で、全国各地の産地が品種改良と肥育技術の向上にしのぎを削った結果、市場におけるブランド和牛 ランキングの勢力図はかつてない多様化を見せている。

市場取引価格や知名度調査において、三大和牛に迫る、あるいは一部の評価で肩を並べる存在として語られるのが日本五大和牛という概念だ。その筆頭格として挙げられるのが岩手県の前沢牛である。前沢牛は、冷涼な気候と良質な飼料管理によって極上の霜降りを誇り、全国肉用牛枝肉共励会などで数々の名誉賞を獲得してきた実績を持つ。

さらに、五大和牛の枠組みには、宮城県の仙台牛(肉質等級がA5またはB5のみしか銘柄呼称を許さない、日本で最も格付け基準が厳しいブランド)や、5年に一度開催される全国和牛能力共進会(通称:和牛オリンピック)で連続して内閣総理大臣賞に輝いた宮崎牛、鹿児島黒牛などが名を連ねる。

東京都内の高級ステーキ店店主は、近年の市場動向について次のように証言する。「かつては『松阪か神戸を仕入れておけば間違いがない』という時代でした。しかし現在の成熟した客層は、料理の仕立てに合わせて『すき焼きなら脂の融点が低い松阪の雌牛』『炭火焼きステーキなら赤身と脂のバランスが取れた米沢や前沢』というように、銘柄の特性を見極めて指定されます。三大和牛という看板は絶対的な品質保証というより、格式を示す一つの指標へと変化しています」。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。